アートマネジメント講座 #006:
プロダクションマネジメントの組み立て

Category: アートマネジメント講座

#006

プロダクションマネジメントの組み立て

2013.12.20 (sat)

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講師:ヲザキ浩実
あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)制作統括/チーフプロデューサー

 

■講座概要

舞台芸術における制作方法の基礎理論と手法を中心に、アイディア(=ひらめい、思いつき)を実現可能な企画へと具現化し、

更に実際の本番を迎え終結させるまでの進行の過程を学ぶ。
 

 

■レビュー

パフォーミングアートなどのアートイベントを開催するにあたり、何を考察していくべきか。基本となる部分の話をしていただいた。根本的な軸になる柱としては、予算、時間、場所、人間の4つを整理し、共有することの必要性である。
イベント内容によって場所を決定し、人選する。そこには、全てにおいて予算が関係するが、その前に考えなくてはならないのが、時間の問題である。
リハーサル期間、人員確保、スポンサーや助成金などによる予算決定までの期間。チケットや宣伝材料、その情報に必要なものを洗いだし、まとめていく期間がどの程度なのか。目的において逆算をする。
そして、予算を明確にするには、場所と鑑賞対象を考察する。場所にかかる費用、鑑賞対象を誰に設定するかにより、価格設定が変動し予算が決まってくる。その他、スポンサー、助成金によっても変化する。スポンサーを獲得するには、プロジェクト内容の情報整理と、イメージをし、起用アーティストやプロジェクト内容によって得られる明確な効果や目的の提示が重要である。シンプル、ストレートにプロジェクト内容を伝達することがスポンサー獲得につながる方法であるという。
これら4つの事柄を整理し、まとめることでやっとひとつのプロジェクトを成し遂げることができるのである。
どのプロジェクトにも一貫して重要なことは、どのようにこれらの情報を共有し目的に向かって物事を進めていくかだと講座を通して改めて思う。しかし、その中でも蔑ろにしやすい、アーティストを守るための著作権などの法や税に関する知識をもってプロジェクトをまとめていくことも大変重要なことだと認識させられた。[須田有希子]
 

 

■講演者プロフィール

1967年大阪生まれ、東京育ち。日本大学大学院芸術学研究科修士課程修了。

日大心理学研究室副手を経て、派遣奨学生としてUCLA大学院演劇学コースへ留学。

帰国後は幅広いジャンルや製作母体の公演を制作・プロデュース。

現在あうるすぽっと[豊島区立舞台芸術交流センター]制作統括/チーフプロデューサー。