アートマネジメント講座 #003:
プロジェクトの配信 編集と広報

Category: アートマネジメント講座

#003

プロジェクトの配信:編集と広報

2013.10.23(Thu)

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講師:平昌子
TAIRA MASAKO PRESS OFFICE

 

■講座概要

「美術専門のPR代行」という仕事を行うに至った、その経緯や経験について、実際に行った広報の具体的な例をもとに

美術という専門ジャンルにおける現在のPRのあり方について解説する。

それらの実例をふまえた上で、これからの広報において、検討されるべき問題点や求められている課題について、

研修生との質疑応答を行う中から、聴衆者それぞれの視点から”有 効なPR方法”についての議論 を深めていく。
 

 

■レビュー
パブリックリレーションズ(Public Relations、以下PR)とは、ある団体や組織の目指す目的を外の世界へ円滑に繋げるために信頼を築いていくことである。
平さんの仕事は、広告代理店のように広告費から各媒体(メディア)に営業するのではなく、フリーの情報を魅力的に提案し、掲載してもらえるように活動を行っている。そのために重要なことは、主催者の目的を理解、共有すること。そして、広報方針を共有する。そうすることで、どの媒体に配信するのかを判断し、プレスリリースの資料をいち早く作成することが可能になる。
基本的な資料作りとしては、情報を端的にまとめることはもちろん、タイトルをキャッチーなフレーズにしたり、配信時期にも気を遣ったりする。そして、興味を抱いた媒体には、PR企画を提案する。
顧客がイベントに興味をもち、行動し、それを報告、共有するまでの一連の流れの中で、その経過に至らせるための制作企画を提案するのである。例えば、チラシの予算の中でフリーペーパーを作成したり、トークイベントや著名人のレコメンドコーナーなどの提案を行ったりしたそうだ。
これらの話を聞き、PRを仕事とする方に必要とされることは、企画内容を理解し、どの媒体に情報を配信するのかを選別することはもちろん、その際に伴う企画提案が重要なことであるように感じた。今日では、新聞や雑誌、テレビ、ラジオ以外にもSNSなど情報を得る機会がより身近になってきた。その中でどのように媒体を組み合わせて掲載を促すのか。ひとつの媒体にひとつの情報を配信するだけでなく、いくつかの媒体とコラボレーションをして企画提案することで、より魅力的な内容まで顧客に情報が行き渡るのではないだろうか。それらを企画する発想能力がPRをする方達に必要なところであるように思う。[須田有希子]
 

 

■講演者プロフィール

1974年大阪生まれ。設計事務所、建築プロデュース会社、アートギャラリーを経て、自身の経験を生かした分野を中心としたPR

業務を請け負う仕事をめざし、TAIRAMASAKO PRESS OFFICE主宰する。

2008年国際展 「横浜トリエンナーレ」「ベネチアビエンナーレ日本館」、国内のトップギャラリーが集結したアートフェアー

「G-tokyo」に代表される国内各地のアートフェアのPR、フェスティバル/トーキョーなどアートジャンルのPR業務を行う。