アートマネジメント講座 #002:
現代音楽マネジメント

Category: アートマネジメント講座

#002

現代音楽マネジメント

2014.10.2 (THU)

AM2014_Itoh

講師:伊藤弘之
[日本大学芸術学部音楽学科教授]

 

■講座概要

2001年より2014年まで毎年、私は、福井県越前市で開催されている「武生国際音楽祭」に参加して来た。
この音楽祭は1990年にクラシックの音楽祭としてスタートしたのだが、2001年に作曲家の細川俊夫氏が「世界から武生へ、武生から世界へ」というスロー ガンを掲げ音楽監督に就任して以来、クラシック音楽を中心に据えながらも、先鋭的な現代音楽作品も積極的に取り入れるユニークなプログラミングで、国際的 に広く知られるものになっている。この点での評価により、武生国際音楽祭は、近年国際交流基金地域交流振興賞やサントリー音楽財団「佐治敬三賞」などを得 ている。私は2001年から2005年まで音楽監督助手としてこの音楽祭に企画のマネジメント側の一員として参加し、2006年から2012年までは「新 しい地平コンサートシリーズ」のディレクターとして、当音楽祭と並行して催される若手作曲家向けの講習会「武生国際作曲ワークショップ」とその中で行われるコンサートの内容の大部分を制作する立場にあった。
芸術音楽の中でもとりわけ利益に結びつかない側面の多い現代音楽が、いかにして、この音楽祭の中で継続的な存在の場を獲得して来たかについて、制作とマネジ メント上のノウハウ、および、問題点や今後の課題などについて、自らの実践を通して得た体験をもとに、一部映像も交えながら講義した。

①音楽祭
②企画立案
③コンサート運営
④武生国際音楽祭

 

 

■講演者プロフィール

カルフォルニア大学サンディエゴ校大学院博士課程修了。博士号を得る。
芥川作曲賞などを受賞。サントリー音楽財団をはじめ様々な団体や個人から数多くの委嘱を受け、管弦楽、室内楽、独奏、合唱から子供のための音楽まで幅広く作曲。作品が国内外で頻繁に演奏されている。出版楽譜やCD録音も多いが2枚目の自作集CDは特に好評を博している。作曲と教育活動以外に、現代音楽企画のプロデュース活動も精力的に行っている。